舌の汚れ「舌苔(ぜったい)」とは?放っておくと口臭や健康にも影響が…?

みなさんは「舌の汚れ」を意識したことがありますか?
鏡でベロ(舌)を見たとき、白っぽくなっていたり、ところどころ黄色や灰色っぽく見えたことはありませんか?
その正体が「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる汚れです。
舌苔とは、舌の表面にある細かい凸凹(舌乳頭)に、食べかす・古い角質・細菌・白血球の死骸などが溜まってできたもの。
つまり、口の中の「垢(あか)」のようなもので、放っておくとさまざまなトラブルを引き起こします。
舌苔がつく原因とは?
舌苔ができる原因はひとつではありません。
代表的なものは次の通りです。
• 口の中が乾燥している(ドライマウス)
唾液には自浄作用があるため、口が乾くと汚れがたまりやすくなります。
口呼吸のクセがある方、加齢やストレス、薬の副作用でも乾燥は起こります。
• 食生活の乱れ
柔らかいものばかり食べていると、舌が食べ物とこすれず、汚れが落ちにくくなります。
また、糖分の多い食品やアルコールの摂りすぎも舌苔を増やす要因です。
• 口腔ケア不足
歯磨きはしていても、舌のケアをしていない方は意外と多いです。
その結果、舌の上だけ細菌が残りやすくなります。
• 体調の変化
免疫力の低下、胃腸の不調、ストレス、寝不足なども、舌苔の原因になります。
朝起きたときに白くなっているのは、睡眠中に唾液の分泌が減り、細菌が繁殖するためです。
舌苔があるとどうなる?
「見た目が白いだけでしょ?」と思うかもしれませんが、舌苔は見た目以上に厄介な存在です。
① 口臭の大きな原因になる
舌苔の中には**口臭の原因となる細菌(嫌気性菌)**が多く棲みついており、
これらが「硫化水素」や「メチルメルカプタン」などのガスを発生させます。
歯磨きをしても口臭が取れない方は、舌苔が原因であることが多いです。
② 味覚が鈍くなる
舌の表面が舌苔で覆われることで、味を感じる「味蕾(みらい)」がうまく働かなくなり、
「味が薄い」「最近食べ物が美味しく感じない」といった変化が起こることも。
③ 細菌が体内に入るリスク
口の中は体の入り口。
舌苔が厚いままだと、細菌が食事や唾液と一緒に体内へ入りやすくなります。
特に高齢の方では「誤嚥性肺炎」の原因にもなることがわかっています。
舌苔がなくなるとどうなる?
舌の汚れをケアすると、さまざまな良い変化が現れます。
• 口臭が軽減し、息がスッキリする
周囲に気を使わずに会話が楽しめるようになります。
• 食べ物の味がはっきり感じられる
味覚が戻ることで、自然と食事も楽しめます。
• 口の中の清潔感が高まる
舌がピンク色で潤いのある状態になると、見た目にも健康的な印象です。
• 免疫力や健康維持にも良い影響
口腔内の細菌バランスが整うことで、全身への悪影響を防ぐことにもつながります。
自宅でできる!舌苔のホームケア方法
舌苔ケアは、毎日のちょっとした習慣で改善できます。
ただし、強くこすらないことが最大のポイントです。
舌はとてもデリケートな器官なので、間違ったケアは逆効果になります。
① 舌専用ブラシやスクリーパーを使用
歯ブラシで舌を磨くと傷つける可能性があるため、舌専用ブラシがおすすめです。
使い方は以下の通り:
1. 朝の歯磨き前に行う(寝ている間に汚れがたまるため)
2. 舌を軽く前に出す
3. 舌の奥から手前に向かってやさしく数回なでる
4. 1回ごとにブラシを水でゆすぐ
※強くこすると舌の表面を傷つけ、逆に汚れが増える原因になるので注意!
② 唾液を増やす習慣を
唾液の分泌を促すことで、舌苔がつきにくくなります。
・よく噛む食事を心がける
・水分をこまめに摂る
・ガムや飴で唾液を刺激する(キシリトールがおすすめ)
・口呼吸をやめて鼻呼吸を意識する
③ ベロも「保湿」する時代
意外と知られていませんが、舌の乾燥もケアが必要です。
ドライマウスの方は、保湿ジェルやマウススプレーの使用も効果的。
舌苔の再付着を防ぎ、口臭予防にもつながります。
④ 定期的なプロケアもおすすめ
セルフケアでは落としきれない汚れや、口臭の根本原因を把握するには、
歯科医院でのプロフェッショナルケアがおすすめです。
舌の状態を確認し、正しいケア方法をアドバイスしてもらえます。
舌は「健康の鏡」
実は舌の状態は、体のコンディションを映し出す鏡のようなもの。
「白っぽい」「黄色っぽい」「黒ずんでいる」など、舌苔の色や厚みで体調のサインが現れることもあります。
日々鏡でチェックし、いつもより厚くなっていたら、生活習慣や体調を見直すきっかけにしてみましょう。
まとめ
舌苔は、誰にでもできる身近な汚れですが、放っておくと
口臭・味覚の低下・全身への悪影響などにつながることがあります。
正しいケアで舌をピンク色の健康な状態に保てば、
口の中だけでなく「笑顔」「会話」「食事」までも気持ちよく楽しめるようになります。
💡今日からできること
朝の歯磨き前に「舌のチェック」からスタートしてみましょう。
清潔で潤いのある舌は、美しい笑顔と健康の第一歩です。
パールホワイトニング大阪肥後橋院・梅田院の2院は、スタッフ全員が女性歯科医師である全国でも非常に稀なホワイトニング専門歯科医院です。受付〜カウンセリング〜施術〜アフターフォローまでを一貫して有資格者が担当し、患者様お一人お一人に合わせたご提案を自信を持ってさせて頂いています。
「ホワイトニングに興味はあるけれど、どんなものか分からなくて不安」という方や今のご自身の黄ばみの程度や似合う歯の白さを知りたい!と思われる方はぜひ、カウンセリングをご活用ください。
コラム執筆者

パールホワイトニング
院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年からホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニングを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。

