大人の食育
新年、明けましておめでとうございます!お正月の華やかな食卓を楽しんだ後、「少し食べすぎたかな…」「体が重く感じる…」と思われる方も多いのではないでしょうか。お正月は普段より豪華な食事や間食が増え、どうしても生活リズムや食習慣が乱れがちです。
お正月明けは、新たな健康習慣をスタートする絶好のタイミングです。今年を健康で美しい笑顔で過ごすために、「食育」を意識した食生活を始めてみませんか?
『食育』という言葉は聞いたことのある方も多いかと思います。今回はこの食育について詳しく解説していきます。
食育って何?
〈そもそも食育って何?〉
「食育」という言葉、最近よく耳にするようになりましたが、具体的に何を指すのかご存知でしょうか?簡単に言えば、食べ物の大切さを学び、健康的な食生活を実践する力を身につけることです。
厚生労働省が提唱する「食育基本法」では、食事を通じて健康的な生活を送るための知識や習慣を身につけることを目標としています。
今、食育が注目される理由のひとつは、現代の食生活が抱える課題です。加工食品やファストフードの普及により、栄養バランスが崩れがちで、むし歯や生活習慣病のリスクが高まっています。さらに、忙しい日常の中で「ながら食べ」や「早食い」をしてしまう人も少なくありません。このような習慣が健康などに、どのような影響を与えるのか、考えていきたいと思います。
歯の健康と食事の関係
〈歯の健康と食事の関係〉
私たち歯科医師が常々お伝えしているのは、「虫歯予防は食事から」ということです。甘いお菓子の食べ方を工夫したり、野菜をしっかり噛んで食べたりすることは、実は立派な食育の一環なのです。
噛むことの大切さ 「ヒミコノハガイーゼ」
〈噛むことの大切さ 「ヒミコノハガイーゼ」〉
しっかりとよく噛んで食べることには、食べ物の消化を助けたり、脳を刺激して発達を促したり、病気の予防をしたり、様々な効果をもたらします。「卑弥呼の歯がいーぜ!」(ヒミコノハガイーゼ)は、そんな噛む様々なメリットを表した標語です。
「ヒ」:肥満防止
「ミ」:味覚の発達
「コ」:言葉の発達
「ノ」:脳の発達
「ハ」:歯の病気の予防
「ガ」:ガンの予防
「イー」:胃腸快調
「ゼ」:全力投球
家庭でできる食育のポイント
〈家庭でできる食育のポイント〉
1. 規則正しい食事時間を守る
一日三食、できるだけ決まった時間に食事を取ることで、体のリズムが整います。また、だらだら食いを防ぐことで、虫歯予防にもつながります。
2. 多様な食材を取り入れる(まごわやさしい)
「まごわやさしい」とは、栄養バランスを整えるために食事に取り入れたい7つの食材の頭文字からなる言葉です。
「ま」:豆類
「ご」:ごま類
「わ」:わかめなどの海藻類
「や」:野菜
「さ」:魚、海老などの魚介類
「し」:しいたけなどのきのこ類
「い」:いも類
また歯科の領域では野菜は根菜類(人参、大根など)や繊維質の多い野菜を選ぶことをオススメします。
これらの食材は、顎の発達を促し、歯並びの改善にも効果があります。
3. 食事の時間を大切にする
・ながら食べをしない
・よく噛んで食べる(一口30回が目安)
・規則正しい食事時間を心がける
食育とは、特別なことではなく、毎日の食事を少し意識するだけで、歯も体も健康になります。
年始は食習慣を見直し、新しい健康習慣を始めるのにぴったりの時期です。キレイな歯を保つためには、日々のケアに加え、食生活を整えることが重要です。
当クリニックでは、患者様お一人お一人の生活習慣に合わせた食事のアドバイスも行っています。お口の健康について気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
また、定期的な歯科検診と合わせて、食生活の見直しを行うことで、より効果的な虫歯・歯周病予防が可能になります。
健康な歯で美味しく食事を楽しむことは、人生の大きな喜びの一つです。これを機に、ご家族皆様で食育について考えてみてはいかがでしょうか。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。