ホワイトニング用歯磨き粉の効果
普段の歯磨きに取り入れるだけで、歯の白さを保つことのできるホワイトニング用歯磨き粉。ネットやドラッグストアなど身近で購入できるものだけでも、たくさんの種類があります。「種類が多すぎてどれを使用すれば良いか分からない」そんな方に向けて、ホワイトニング用歯磨き粉を選ぶポイントや歯科医師が本気でおすすめするホワイトニング用歯磨き粉をご紹介します。
目次
ホワイトニング用歯磨き粉で歯は白くなるの?
【ホワイトニング用歯磨き粉】と聞くと、使用すると歯が真っ白になるのでは?と期待感を持って歯磨き粉を購入される方もおられると思います。しかし、この記事を読んでくださっているあなたにまずお伝えしたいことの一つが、ホワイトニング用歯磨き粉で歯は白くなる場合とならない場合があるということです。もう少し踏み込んでお伝えすると、日本で販売しているホワイトニング用歯磨き粉で歯を真っ白にすることはできません。
何故かというと、日本では法律上(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律=薬機法)で歯が白くなる成分である過酸化水素や過酸化尿素を歯磨き粉に添加することができないからです。
法律で定められているのにホワイトニング用歯磨き粉という言葉を使用して良いのか?矛盾のように感じられますが、このホワイトニング用歯磨き粉と記載してよい製品というのもまた薬機法の基準に沿って決められています。
ホワイトニングという表現は薬機法で指定されている【歯を白くする・歯のヤニをとる・タバコのヤニ除去】などの言い換え表現として使用されています。表現に関しては歯磨き粉が化粧品なのか医薬部外品なのかによりブラッシングを伴うか否かが変わります。では、ホワイトニングという表現が記載されている歯磨き粉に入っている成分はどのような成分でしょうか?
ホワイトニング用歯磨き粉と記載されている製品に含まれる成分
歯磨き粉は前述したように化粧品と医薬部外品に分類されます。成分のお話をする前に、まずはこの2つの違いから見ていきましょう。
化粧品の歯磨き粉
化粧品は、人体への作用が緩和なもので、見た目を美しくし、清潔・健やかに保つものとなっていますので汚れを落とす作用については、「ブラッシング」という物理的作用を用いて使用することで、効能効果の標ぼうが可能となっています。また、各都道府県知事への届出のみで製造することが可能なものとなります。
効能効果 | |
使用時にブラッシングを行うもの | 虫歯を防ぐ 歯を白くする 歯石を除去する 歯のヤニをとる 歯石の沈着を防ぐ |
使用時にブラッシングを行わなくて良いもの | 口中を浄化する 口臭を防ぐ |
医薬部外品の薬用歯磨き粉
医薬部外品は、化粧品とは違って、各都道府県知事や厚生労働大臣が承認するものになります。
医薬部外品では、人体への作用が緩和なものということは化粧品と変わりませんが、有効成分を配合しているため、予防効果や特定の効能効果を訴求することが可能です。
薬用歯みがき類においては、使用方法・剤型に応じて、有効成分の配合や効能効果の指定が明確に決められています。これらの「薬用歯みがき類」の承認基準は2021年7月1日より改正されて、より製剤の機能性に応じた明確な内容となりました。
効能効果 | 有効成分の制限 | |
①使用時にブラッシングを行うもの(錠型) ペースト状、液状、粉末状、固形、潤製※等 ※湿り気のある粉状のもの | ・歯周炎(歯槽膿漏)の予防 ・歯肉(齦)炎の予防 ・歯石の形成および沈着を防ぐ ・「虫歯の発生および進行の予防」もしくは「虫歯を防ぐ」※どちらか二者択一 ・タバコのやに除去 ・歯がしみるのを防ぐ | 配合指定あり |
①使用時にブラッシングを行うもの(錠型) ペースト状、液状、粉末状、固形、潤製※等 ※湿り気のある粉状のもの | ・歯を白くする ・口中を浄化する ・口中を爽快にする | |
②口に含みすすいで吐き出した後ブラッシングを行うもの(錠型)液体のみ | ・歯周炎(歯槽膿漏)の予防 ・歯肉(齦)炎の予防 ・歯石の形成および沈着を防ぐ ・「口臭の発生の防止」もしくは「口臭の防止」※どちらか二者択一 | 配合指定あり |
②口に含みすすいで吐き出した後ブラッシングを行うもの(錠型)液体のみ | ・歯を白くする ・口中を浄化する ・口中を爽快にする | |
③洗口のみを行うもの(錠型)液体のみ | ・「口臭の発生の防止」もしくは「口臭の防止」※どちらか二者択一 ・口中を浄化する ・口中を爽快にする | 配合指定されたものの中から1種類配合する |
上記にあるように「歯を白くする」という効能効果に有効成分の指定はありません。では、どのような成分を含む歯磨き粉をホワイトニング用歯磨き粉と表現しているのでしょうか?
代表的な歯を白くする成分を2つご紹介します。
ポリリン酸ナトリウム
ポリリン酸ナトリウムは、「歯垢」や「ステイン」などの歯の表面の汚れを浮かせるはたらきを持つ成分です。汚れを浮かせてブラッシングで除去しやすくします。このステインなどが落ちて歯が白く見えることをホワイトニング効果と謳っています。
ハイドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイトは歯の表層のエナメル質を構成する成分です。歯の表面にある小さな傷を埋め、歯の表面を滑沢にする効果があります。ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉を使用すると歯の表面が滑沢になるため、汚れがつきにくい状態をキープできます。この効果のことをホワイトニング効果として表現しています。
また上記の2成分は化学的な作用により汚れにアプローチするものですが、物理的に研磨剤を配合することにより歯の表面の汚れを落としてホワイトニング効果を得るという作用がある成分に「無水ケイ酸」や「炭酸カルシウム」などが挙げられます。
ホワイトニング用歯磨き粉を選ぶ時のポイント
ホワイトニング用歯磨き粉を選ぶ際には歯の汚れを落とすことをメインにするかもしくは歯の表層をコーティングすることにより着色を着きにくくするかのどちらかで選ぶのがポイントです。
【歯の汚れを落とすことをメインにする場合】
この歯磨き粉を選ぶのがおすすめの方は歯の表面にステインが既についている方やつきやすい方です。成分としては汚れを落ちやすくするポリリン酸ナトリウムや汚れを物理的に除去する無水ケイ酸や炭酸カルシウムが含まれている歯磨き粉です。
【歯の表層をコーティングすることをメインにする場合】
この歯磨き粉を選ぶのにおすすめの方は普段よくコーヒーや紅茶を飲まれる方です。歯の表面がコーティングされることにより、着色汚れの予防になります。成分としては歯の表面をコーティングするハイドロキシアパタイトが含まれる歯磨き粉です。
歯科医師が本気でおすすめする歯磨き粉
【歯の汚れを落とすことをメインにする場合】
スーパースマイル
歯の着色汚れ(ステイン)を形成するタンパク質の膜を得意的に分解。歯の表面を傷つけることなくステインを除去できます。
スーパースマイルの詳細は次のURLから
https://pearllab.base.shop/items/81283641
【歯の表層をコーティングすることをメインにする場合】
パールラボ・トゥースケア
歯の表面エナメル質を構成する成分ハイドロキシアパタイトの配合により歯の表層がコーティングされ、ステインが付着しにくい状態をキープすることができます。香りもフルーティーで使用しやすいのも人気の理由の一つです。
パールラボ・トゥースケアの詳細は次のURLから
https://pearllab.base.shop/items/78369804
いかがでしたでしょうか?この記事がホワイトニング用歯磨きをお探しになられている方の参考になりますと幸いです。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。