研磨剤入り歯磨き粉って歯に悪いの?
洗顔料やお化粧品など毎日使用するものは成分にこだわって選ぶ、という方は多いですね。歯磨き粉も毎日使用するもののひとつ。できれば成分にこだわって選びたいですよね。しかし、ドラッグストアなどにいくとたくさんの歯磨き粉が並んでいて
・多すぎてどれを選べば良いかわからない
・どの成分が良いのかわからない
と思われる方も多いかと思います。
そこでこの記事では皆さんが歯磨き粉を選ぶ際によく悩まれる事とお悩みごとに応じたポイントをまとめてお伝え致します。
目次
研磨剤入りの歯磨き粉と研磨剤なしの歯磨き粉はどちらが良いのか?
「研磨剤入りの歯磨き粉は歯が削れて歯に悪いから使用しない方が良い」というお話を聞かれたことはありますか?よくネットなどでも目にする文言でもあります。しかし、本当に研磨剤入りの歯磨きは控えた方が良いのでしょうか?
この問いに関しての答えは歯科医師の考え方などにより変化します。実際、歯科医師である私自身は研磨剤入りの歯磨剤を使用しています。研磨剤が入っていることによるデメリットは歯を磨く際に歯が少しずつ削れていくという点です。ただ、歯は研磨剤入りの歯磨剤を使用しなくても歯を磨くと歯は削れますし、毎日の食事などで噛むことにより少しずつ少しずつ削れていくものではあります。ですので、程度の問題で研磨剤入りの歯磨剤を使用してもしていなくても日常生活の中で歯は少しずつ削れていくものではあります。また、研磨剤入りの歯磨剤を使用することのメリットは、汚れがよく落ちることです。この汚れがよく落ちる感覚は人によっては爽快感にも繋がります。以上の事から一概に研磨剤入りの歯磨き粉が悪いというわけではないのです。
それでも毎日の使用が気になる方におすすめしているのが研磨剤入りの歯磨き粉と研磨剤不使用の歯磨き粉との併用です。日によって使い分けて頂いても良いですし、一日の中で例えば、朝は研磨剤入りのもの、夜は研磨剤不使用のものを使用するというような使用方法でも良いかと思います。
ご自身の中で優先させたい事項、爽快感や歯の削れる量は極力減らしたいなど、考えとライフスタイルに合わせて研磨剤入りのものやそうでないものを選ばれることがおすすめです。
自分にはどの成分が合っているのか
歯磨き粉のパッケージを見ると、歯周病予防、ホワイトニング、口臭予防など様々な文言が並んでいます。もちろん併用されて記載されているものもありますが、選ぶ指標をお伝えさせて頂きます。
歯周病予防の歯磨き粉はどんな人に適している?
歯周病予防と記載されている歯磨き粉がおすすめなのは、歯科医院などで歯周病のリスクが高いと診断された事のある方や、弱いブラッシング圧で磨いただけでも簡単に歯茎から出血してしまう方におすすめです。歯周病予防を謳う歯磨き粉には殺菌作用のある成分や抗炎症作用のある成分が含まれており、歯周病の症状を緩和してくれます。ですので、歯周病と過去に診断を受けた事のある方やその傾向のある方にはこの表記のものがおすすめです。
ホワイトニングと効果があると記載された歯磨き粉の使用に適している人
ホワイトニング効果がある歯磨き粉というのは上記で説明した研磨剤入りの歯磨き粉のことを指します。もしくは研磨剤不使用でホワイトニング効果と記載のあるものには歯の表面に着く汚れを浮かせて落とすような成分が含まれているものもあります。総じてこれらは歯の黄ばみ自体を落とすわけではなく、歯の表層に着いた着色汚れを落とすことをホワイトニング効果と呼んでいます。
この記載のある歯磨き粉がおすすめの人は普段から紅茶や赤ワインなどをたくさん飲む方や喫煙者の方です。このような習慣のある方はどうしても着色汚れが付着しやすい状態をしています。なので、普段から着色汚れが気になる方にはこの表記に歯磨き粉がおすすめです。
ただし注意点としては、ホワイトニング効果があるというと歯が真っ白になるというイメージを持たれる方もおられるかもしれませんが、日本では薬事法上歯磨き粉に歯を白くする成分である過酸化水素を添加することはできません。歯磨き粉で真っ白な歯を目指すのは難しいと理解された上でのご使用を推奨します。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉については下記記事により詳しく記載しています
https://pearl-whitening.info/column/column/1796/
フッ素入りの歯磨き粉はよくないのか?
このフッ素=危険という見解には使用する量の問題があります。フッ素は大量に摂取をすると中毒症状を起こしますが、歯磨剤での使用によるフッ素の使用は人体に影響を及ぼすほどの量ではないです。実際、日本国内で販売されている歯磨剤の約90%以上のものにフッ素が含まれています。つまり、通常通りの使用であればフッ素入りの歯磨き粉も安心してお使い頂いて良いかと思います。ただ、これも研磨剤入りの歯磨き粉同様に人それぞれ大事にされたい価値観や優先順位などがあるので、ご自身の考えにあったものを選ばれるのが最善だと思います。
いかがでしたでしょうか?歯磨き粉を購入される際にぜひお役立てて頂けたらと思います。しかし、それでもやっぱりどの成分のものが良いか悩む、という方にはやはりかかりつけの歯科医院などで歯科医師に相談されることがおすすめです。毎日使用するものなので安全に配慮して、できれば自分自身でよく理解したものを使用したいですよね。
また、パールホワイトニングでは歯科医師が開発したホワイトニング用歯磨き粉を取り扱っています。下記よりご覧頂けます。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。