歯が灰色?テトラサイクリン歯とは?〜ホワイトニングで白くなる場合がある
テトラサイクリンとは
テトラサイクリンとは抗生物質の一種です。主に昭和40年代に風邪薬のシロップとして使われていました。現在でも全身疾患やアレルギーを考慮して使用する場合があります。抗生物質としては優秀ですが、歯に着色がおこる副作用があるため使用する際には注意が必要です。
テトラサイクリンと歯の関係
永久歯、つまり大人の歯が形成される時期に一定量以上のテトラサイクリン系抗生物質を摂取すると、歯のカルシウムと結合して蓄積されていきます。もともと色素を持っているテトラサイクリンですが、紫外線に当たると化学反応を起こし色が変化していきます。そうすると歯が濃い黄色だったり灰色がかった色味を帯びてきます。そのため妊娠中や授乳中の方と0歳~8歳までのお子様はできるかぎりテトラサイクリン系抗生物質は避けたほうがよいでしょう。逆に永久歯が完成されてからの摂取に関してはテトラサイクリンによる歯の着色はおこりません。
テトラサイクリン歯の特徴
とはいっても胎児の時や幼児の時に自身がテトラサイクリン系抗生物質を服用したか覚えていない方がほとんどです。自覚症状もないので、一概には言えないですが、下記にテトラサイクリン歯の特徴を羅列したので、ご自身がテトラサイクリン歯がどうか見分ける目安になれば幸いです。
①歯の色が人より濃い。
②歯の色が灰色や青色がかっている。
③歯に縞模様がある。
このような特徴を持ちます。歯の色味は特徴的ですが、歯の形状や機能に関しては正常です。痛みなどもないので、歯の色が濃いという以外には生活に支障はなく、当院に相談に来られて初めて発覚することも少なくありません。
テトラサイクリン歯の分類
テトラサイクリン歯には歯の変色の度合いによって第1度〜第4度に分けられます。
第1度:淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて縞模様が見られないもの。
第2度:第1度よりも濃く歯冠全体が一様に着色されていて縞模様が見られないもの。
第3度:濃い灰色、青色がかった灰色で縞模様があるもの。
第4度:着色が強く、縞模様の著明なもの。
この分類の程度によってホワイトニングにかかる期間が大きく異なってきます。
テトラサイクリン歯とホワイトニング
テトラサイクリン歯は通常よりもホワイトニングを行うのが困難です。特にオフィスホワイトニングは効果がなかなか感じにくく、オフィスホワイトニングのみでホワイトニングを行うとかなりの回数の通院が必要になります。なぜなら、歯の内側の組織に原因があるので、外側の組織に作用するオフィスホワイトニングだけでは歯が白くなりにくいのです。そこで、ホームホワイトニングをオフィスホワイトニングと併用することを当院ではお薦めしております。
ホームホワイトニングはマウスピースを使用するホワイトニングですが、マウスピースを使用することで薬が歯に密着し、象牙質まで薬が浸透し作用します。そして象牙質の着色を除去してくれるので、根本的な黄ばみを除去してくれるホワイトニングと言えます。テトラサイクリン歯は象牙質の着色が原因ですのでホームホワイトニングをすることで大きく歯の色を変えることが可能です。しかしホームホワイトニングは歯を白くするのに時間がかかるという短所があります。さらに、上記の分類で第3、4度の中程度〜重度の着色が見られる方は長期間のホワイトニングが必要になります。
当院でもテトラサイクリン歯をお持ちの方は多く通院していただいております。診断から施術まで全て歯科医師が行い、お客様それぞれに合ったホワイトニングをご提案させて頂いているので安心してご相談ください。
テトラサイクリン症例
50代男性・3ヶ月コース実施
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。