矯正時におけるホワイトニング:矯正中でもホワイトニングができる場合がある
矯正装置がついているけどホワイトニングできますか?こちらはよく頂くご質問のひとつです。ホワイトニングの方法には2種類あります。1つ目はクリニックに来て頂いて行うオフィスホワイトニング。2つ目はオーダーメイドのマウスピースを使ってご自身で行うホームホワイトニングです。矯正治療中はその使用している装置によってできるホワイトニングの種類が違います。
矯正治療中のオフィスホワイトニングについて
こちらは歯の表側に薬を塗って行う処置です。ですので、基本的には矯正中であっても歯の表側に何も装置がついていなければオフィスホワイトニングをすることは可能です。歯の表側に矯正装置がついている場合はお薬を塗ることはできませんが、裏側に装置がついている場合はオフィスホワイトニングを行うことが可能です。
また、インビザラインなどの取り外し可能な矯正器具を使用している場合にもオフィスホワイトニングをすることが可能です。ただし、この取り外し可能なインビザラインで治療中の場合はホワイトニングをする上での注意点があります。それはアタッチメントの存在です。
アタッチメントとは歯を動かす上で支点となったり、矯正器具を固定させる目的で歯につけられるものです。このアタッチメントがオフィスホワイトニングの薬を塗る面に付着していると、色むらになってしまうので適応ではありません。アタッチメントがいつ外れるのかは医院によって異なるのでかかりつけの歯科医院にてご相談ください。以上のことをまとめると、オフィスホワイトニングでは歯の表側に器具や装置が何もついていなければ施術は可能です。
矯正治療中のホームホワイトニングについて
もう一方のホームホワイトニングについてですが、こちらは歯の型取りをした時点での歯型に適合するマウスピースを使ってのホワイトニングになります。ですので、マウスピースを作った後に矯正で歯を動かしてしまうと、そのマウスピースは使用できなくなります。また、インビザラインを用いてのホームホワイトニングが可能な場合もありますが、その際には注意する点が2つあります。1つめは、オフィスホワイトニング同様に前歯の表側にアタッチメントなどが付着していないことが大切です。理由は色むらになってしまうため、アタッチメントが歯についている期間は控えた方が良いでしょう。2つめは、マウスピースが歯の全体を覆っている必要があることです。マウスピースが歯全体を覆っていないとその部分だけ薬が作用せず同じく色むらになってしまいます。特に歯の根本側の黄ばみが気になっている方は注意が必要です。マウスピースが使用できるかの判断は専門家に相談されることがおすすめです。
矯正装置除去後のホワイトニング
矯正で歯を動かし終わると後戻りを防ぐためにしばらくの間、歯の並びを保定する期間に入ります。保定期間では歯の裏側に装置をつけることが多く、このタイプの保定装置の場合はオフィスホワイトニングもホームホワイトニングもすることが可能です。
また、歯に保定装置がついている方は装置周辺に汚れや着色がつきやすいため、歯のクリーニングがおすすめです。矯正中でホワイトニングの適応外の方でもクリーニングは可能です。
いかがでしたでしょうか?矯正やホワイトニングに関してはご自身での判断は難しいと思われます。こちらの記事を参考にして頂き、ぜひ専門家へご相談されることがおすすめです。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。