歯の黄ばみ、原因と対処法は?
約2年間、マスクをつけて過ごす日々が続いていますね。
多くの時間をマスクで口元が隠れた状態で過ごしているわけですが、鏡に写った自分、写真に写った自分を見たとき、そんなふとした瞬間に歯の黄ばみが気になった人もいるのではないのでしょうか?
毎日しっかり歯磨きをしているのにこんなに黄色くなっているなんて、、、
どうして歯の黄ばみは起こるのでしょうか?
今回は歯が黄色くなってしまう原因についてご紹介させていただきます。
まず、歯の黄ばみの原因は大きく3つがあげられます。
- 食べ物による着色
- 歯の磨き残し
- 加齢による色の変化
目次
実はもともとの歯の色には個人差がある
歯は、「象牙質」、その象牙質を覆っている「エナメル質」などで構成されています。
一番歯の表面にあるのがエナメル質で、色が薄く半透明です。
対して、象牙質は個人差はありますがクリーム色をしています。
つまり歯の色は、エナメル質を通して内側の象牙質の色が透けているということです。
肌や目の色、髪の色などに個人差があるように、もともと象牙質が白い人もいれば、黄みを帯びた人もいます。
着色の大きな原因
①食べ物による着色
ステイン(着色汚れ)です。
食品に含まれる色素がエナメル質の表面にある膜と結びつくと、ステインとなり歯に付着、蓄積します。
カレーやコーヒー、たばこなどが着色を起こしやすい食品だというのは有名な話ですよね。
一見、着色とは無関係そうな豆乳ですが、原料である大豆に含まれるイソフラボンはステインになりやすい成分です。
その他にもバナナやぶどう、りんごなどに含まれているタンニンなどもステインになりやすい成分です。
こうみると、着色の原因になる食品がとても多いことがわかります。
歯の黄ばみを防ぐ為に、ステインを歯に付着させないことがとても大事です!
着色の原因になりやすいものを控えることで予防することはできますが、制限はせず、楽しく食事をしたいですよね!
なるべく着色を防ぐ方法として以下が上げられます。
- 色素が強いものを飲食した後は、早めのブラッシングを心がける
- 外出時でブラッシングが難しい場合は、水で口をゆすぐ
- 水がない場合は、ガムを噛むなどして唾液を出す
どれも手軽にできることばかりですので、心がけて生活をしましょう。
小さな心がけが、着色予防に繋がります!
②歯の磨き残し
ブラッシングが不十分であるということは、つまり歯に食べかすが残った状態だということです。
歯についた食べかすから細菌が繁殖してしまうと、歯の黄ばみに繋がります。
食べかすから繁殖した細菌を歯垢(プラーク)と呼びます。
更に、歯垢が歯の表面で固くなってしまったものを歯石といいます。
歯石はブラッシングで落とすことはできません。
歯石になってしまう前に、しっかりとブラッシングを行って歯垢を落とすことが大切です。
歯垢や歯石は歯の黄ばみの原因になるだけでなく、虫歯や歯周病の原因にもなります。
末長く健康な歯で、美味しく食事を楽しみたいですよね。
歯垢(プラーク)と歯石の落とし方 | クリニカ
歯と歯の隙間、歯茎の境目など、見落としがちな場所ですが意識をすれば防ぐことができるところです。
是非、参考にしてください。
〈ブラッシングの基本〉
- 歯ブラシの毛先を歯の面に当てましょう
- 歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で動かす
150〜200gのちからで - 小刻みに動かす
5〜10mmの幅を目安に小刻みに動かし、1〜2本ずつ磨く
注)オーバーブラッシング(力強すぎるブラッシング)に気をつけましょう!
オーバーブラッシングとは、ブラッシングに力を入れすぎ、長時間のブラッシング、歯磨き粉の使いすぎによって歯や歯茎に傷がついてしまうことです。
オーバーブラッシングによって、歯肉退縮、歯のすり減りに繋がることもあります。
- 歯肉退縮
力強く磨きすぎることによって、歯茎が下がってしまいます。
歯肉退縮が起こると、歯が長くなったように見えるだけでなく、ものが詰まりやすくなります。
また、一度下がってしまった歯茎は基本的に元に戻ることはありません。 - 歯がすり減る
オーバーブラッシングにより、エナメル質が傷つき象牙質が露出してしまうと、知覚過敏や虫歯になりやすくなります。
露出した歯の根っこはエナメル質がある歯と比べて、なんと3倍も虫歯のリスクが高まります。
またエナメル質がすり減るということは、歯が黄色く見える原因の一つである象牙質の色がよりはっきりと現れるということです。
一度に大量の歯磨き粉を使って強く長時間ブラッシングをしてしまっていませんか?
一見、歯がキレイになっているように感じるかもしれません。
しかし、歯や歯茎を傷つけてしまっているかもしれないことを頭に入れて、適切な方法でブラッシングをしましょう。
小さな心がけが、未来の健康な歯に繋がります!
③加齢によるもの
先程、本来の歯の色は象牙質がエナメル質を通して透けた色だということをお話しました。
この象牙質は、歳を重ねるにしたがって分厚くなり、黄みを帯びます。
対して、エナメル質は年齢と共に薄くなっていきます。
そのため自然と象牙質の色が透けてしまい、歯の黄ばみが濃く見えてきてしまいます。
また、ご高齢の方の歯には、長年口にしてきた食品や嗜好品の色素が染み付いています。
そのため、年齢を重ねるほどに歯の黄ばみが増しているように感じるのです。
歯の黄ばみを解決する方法
「黄ばみが気になって歯を出して笑うことができない」
「自信をもって話すことができない」というお悩みを抱えている方、
「結婚式や成人式などのイベントに向けて歯を白くしたい」と考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
近年は結婚式前にエステと一緒にホワイトニングをされる方も増えています。
人生の一大イベントと言われることもある結婚式。
美しい姿で、そして一番の笑顔で迎えたいですよね。
今回は歯科医院を利用して黄ばみを解決する方法をご紹介させていただいます。
①クリーニングを受ける
歯の表面の黄ばみや汚れを落とし、本来の歯が持つ白さを取り戻します。
クリーニングは、虫歯や歯周病を予防するためのものですが、歯の表面の着色汚れ、歯垢を取り除くことができます。
ただ、取り除くことができるのは歯の表面上の汚れのみです。
歯の内部からの変色についてはクリーニングでは落とすことができません。
内部から白くしたい場合は、また別の方法を取る必要があります。
②ホワイトニングを受ける
ホワイトニングとは、専用の薬剤を使用することで歯の黄ばみを分解し、自然な白さに導く施術です。
歯科医院で行うオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニング、この2つを併用するデュアルホワイトニングの3種類があります。
それぞれに効果や費用面での特徴がありますので、悩みや希望にあわせて選択することができます。
〈ホワイトニングの種類〉
①オフィスホワイトニング
歯科医院で、専用の薬剤とレーザーを使用して歯を白くする方法です。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師または歯科衛生士といった有資格者が施術を行います。
そのため高濃度の薬剤を使用することができ、短期間で効果が現れやすいことがメリットとして上げられます。
しかし、ホームホワイトニングに比べると、着色が戻りやすいというデメリットもあります。
また、ホームホワイトニングに比べて高額で、3〜7万円ほどかかります。
②ホームホワイトニング
歯科医院で自分の歯並びにあったマウスピースを作成し、専用の薬剤をマウスピースに入れ、装着することによって歯を白くする方法です。
1回あたり数時間装着し、2〜4週間ほど継続してホームホワイトニングを行います。
オフィスホワイトニングに比べて低濃度の薬剤を使用するので、効果が出るまでに時間はかかりますが、効果が長く継続するというメリットがあります。
またマウスピースを作成すれば、あとは歯科医院で薬剤の購入するのみです。
いつでもホワイトニングを行うことができるので、コストパフォーマンスが高いです。
着色が気になったときに、薬剤さえあればホワイトニングを再開することができるのもいいですよね!
③デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用することで歯を白くする方法です。
より短期間で歯を白くし、効果を長く継続することができます。
オフィスホワイトニングの着色が戻りやすいと、ホームホワイトニングの効果が出るまでに時間がかかるというデメリットをなくしたものになります。
残念ながらホワイトニングを行って真っ白な歯を手に入れたとしても、毎日の食事の中で次第に歯の黄ばみは戻ってきてしまいます。
そのため、どの方法でホワイトニングを行った場合でも、継続したメンテナンスは不可欠です。
継続期間 | 1年あたりのメンテナンス費 | |
オフィスホワイトニング | 3ヶ月〜6ヶ月 | 20,000〜70,000円 |
ホームホワイトニング | 6ヶ月〜1年 | 5,000〜20,000円 |
デュアルホワイトニング | 1〜2年 | 25,000〜80,000円 |
歯科医院で受けるホワイトニングは、保険適用外となっています。
そのため、各医院によって金額が異なります。
施術内容、雰囲気、値段など事前に調べた上で、ご自身にあった歯科医院を決められることをおすすめします。
④セラミックによる治療を受ける
セラミックとは、壊れてしまった歯を修復する為に用いる物質の一つで、自然な歯の白さを持つ素材です。
歯の表面を削って薄く貼り付けることで黄ばみの解消することができます。
セラミックによる施術を受けた歯は、ホワイトニングによって白くすることはできません。
まとめ
今回は、「どうして歯は黄色くなるのか」をテーマに原因や予防法、解決方法についてご紹介しました。
歯の黄ばみを予防し、歯周病や虫歯のない健康な歯であり続ける為に、食事後は早めに歯磨きをすることを心がけましょう。
歯の黄ばみを解消する方法は、今回ご紹介したもの以外にもあります。
セルフホワイトニングという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
歯の黄ばみが理由で、自信をもって笑うことができない。
悩みやコンプレックスに感じている。
このように感じている方はとても多いように感じます。
そんな歯の黄ばみが気になっている方は、ご自身の生活やペースに合わせつつ、歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか?
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。