歯がまだら?その状態エナメル質形成不全症かもしれません
大人の歯に生え変わった頃から歯の一部分が白濁していたり、茶色くなっていたりという状態に気づいた。
歯を磨いても改善せず、そのまま放置しているがやっぱり気になっている…このような症状で悩まれている方は【エナメル質形成不全症】かもしれません。なぜ歯がそのような状態で萌出してくるのか?ホワイトニングをすることは可能なのか?根本的に改善することはできるのか?など今回は【エナメル質形成不全症】について詳しく解説していきます。この記事が歯のまだら感に悩まれている方のお役に少しでも立てますと幸いです。
では、解説していきます。
エナメル質形成不全症とは?
エナメル質形成不全症とは、
歯の表面のエナメル質が生まれつきうまく作られず、変色や欠けがみられる状態です。乳歯にも永久歯にも見られ、その部分は歯の質が弱くなっています。
軽度の場合は、限局性の変色があるだけですが、重度の場合は、エナメル質の表面に環状のくぼみ、不規則なクレーターを生じ、エナメル質の大部分が形成されないこともあります。
エナメル室は歯の最外層なので、形成不全が重度の場合は歯の表面が凸凹します。
エナメル質形成不全症の原因は?
では、【エナメル質形成不全症】は、なぜ起こるのでしょうか?
①全身的な要因
胎児期、つまり母親の妊娠期に何らかの全身的障害(例えば、母体の栄養障害、病気、内分泌異常、感染、代謝異常、特定薬物の長期継続投与、ホルモン異常、ビタミン不足、など)で歯の形成や成長が一時的に阻害されることによりエナメル質形成不全が起こります。
エナメル質形成不全が 全身的な原因による時は、1本だけではなく複数の歯に症状が出てくることが多いです。そして、多くの場合で左右対称に現れると言われています。
②局所的な要因
乳歯に外傷(歯をぶつける等)を受けた場合や乳歯の虫歯が大きく、長期間化膿状態であった場合、後続する永久歯に影響が出てエナメル質形成不全がみられる事があります。1~2歯に限局し,左右対称に認められることは少ないです。
【エナメル質形成不全症】は、6歳臼歯(第一大臼歯)と前歯(中切歯、側切歯)によく発症しやすい、と言われています。発症に関してさまざまな要因との関連が疑われているようですが、どれも確証は得られていないようです。
ホワイトニングをすることは可能か?
エナメル質形成不全症の方は症例によってはホワイトニングをすることが可能です。まだら模様の方はホワイトニングでまだら感が馴染む可能性もあります。しかし、凸凹状の実質欠損を伴う重度の方は、難しい症例です。ホワイトニングで欠損部を埋めることはできないので、重度の場合にはラミネートやセラミックの治療が必要になります。
エナメル質形成不全症は年齢を問わず、一定数おられる症例のひとつです。通常の歯に比べると、ホワイトニングの効果を得にくい場合もありますが、デュアルホワイトニングなどにより効果を感じていただける事もあります。
デュアルホワイトニングに関しては次の記事を参考にしてください。
https://pearl-whitening.info/column/column/1618/
いかがでしたでしょうか?エナメル質形成不全症は前歯にも発症しやすく、ご自身も気付きやすい症状のひとつです。セルフケアでは改善せずに気になる方はぜひ気軽にご相談ください。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。