歯ブラシって何使ってる?おすすめの歯ブラシやフロスをご紹介
みなさんは日頃の歯磨き時に、デンタルグッズをいくつお使いになりますか?
歯ブラシのみ、歯ブラシとフロス、歯ブラシと歯間ブラシ…人によって様々だと思います。
クリニックで定期的にメンテナンスを受けていただくことももちろん大切なのですが、日常的に口腔内の状態を整えておくことも重要です。
日頃から口腔内の状態を整えることで虫歯予防、歯周病予防になります。ご自身の歯を守ることができ、何よりホワイトニングの効果も出やすくなります。
ただ、ここで覚えておいてほしいことは器具の正しい使い方や、使い所ををしっかり押さえておくことです。
闇雲にブラッシングするのではなく、意識して器具を選択し、使用することで清掃効率は更に上がります。
皆さんのお口の健康促進のために今回は歯科清掃器具についてお伝えしていきます。
歯科の清掃器具の種類
①歯ブラシ
手用歯ブラシ・ワンタフトブラシ・電動歯ブラシ
②デンタルフロス
糸巻きタイプ・ホルダータイプ
③歯間ブラシ
ナイロンタイプ・ゴムタイプ
④歯磨剤
虫歯予防・歯垢除去・歯周病予防・歯石予防・知覚過敏対策・歯の着色除去・口臭防止
⑤洗口剤
それぞれ豊富な種類があり、適した使い方や使う箇所があります。
①歯ブラシ
ヘッドの形や毛先の硬さで大きく分類されます。
また手用か電動かの違いもあります。
ヘッドの形は年齢や口の大きさなどを考慮しながら選びます。
ざっくりと分けると、
・乳児期(0〜1歳半)に使うもの(乳歯が生え始める頃)
・幼児期(1〜6歳)に使うもの(乳歯が生え揃う頃)
・永久歯への生えかわりの時期に使うもの
・永久歯が生え揃った時期に使うもの
歯ブラシの中でも特徴的な形をしているのが「ワンタフトブラシ」です。
ヘッドがかなり小さくなっており、歯と歯の間、歯と歯肉の間、凸凹している部分など、通常の歯ブラシでは届きにくいところまで磨くことができます。
毛先の硬さは歯肉の健康状態により選びます。
健康な引き締まった歯肉には「ふつう」のかたさ、柔らかめの歯肉や、炎症や出血が見られる歯肉には「やわらかめ」のかたさを選びます。
歯垢除去能力は毛先のかたさが柔らかくなるほど低くなるので、より丁寧なブラッシングが必要になります。
ご自身のお口にあったヘッドと毛先を選び、使っていただきたいです。
私のおすすめはGC社のルシェロ歯ブラシです。
種類が豊富で、お口の中の状態に合わせて選べる仕様になっています。
また、毛先が開いてしまった歯ブラシは清掃能力がぐんと下がってしまいますし、歯肉を傷つける可能性もあります。
目安としては1ヶ月に1本のペースで取り替えると良いでしょう。
それもブラッシング圧、歯の本数などによって個人差がありますので、あくまでも目安とお考えくださいね。
もし不明な点があればクリニックで確認してください。個々に合った歯ブラシを提案してもらえると思います。
電動歯ブラシは機械的に作動するため、手用歯ブラシよりも細かい手の動きが少なくなります。
なので、どなたでも簡単に使うことができます。
手先が動かしにくい方や普段のブラッシングにプラスして清掃率を求める方には適しているかと思います。
②デンタルフロス
いわゆる糸ようじです。
指に巻取って使うタイプ、ホルダータイプの2種類がメジャーどころです。
歯と歯の間や、歯ブラシの先が届きにくいところにアプローチできる器具です。
歯ブラシのみのお手入れですと歯の清掃率は50%台ですが、フロスを併用すると80%台まであがります。
また、歯と歯の間はプラークが残りやすく、虫歯や歯周病が発生しやすい部分です。
歯と歯の間で虫歯はパッと見ただけは気づきにくいのが特徴で、知らず知らずのうちに虫歯が進行していることが多いです。
気づく頃には黒ずんできたり、ボコッと穴があいたり、ズキズキ痛んだり…と何かしらの症状が出ていることが多いです。
そして治療が必要な歯は2本になります。
「虫歯としては一箇所なのに、治さなくちゃいけないのは2本だなんて…」
そんな話を聞いたら驚きますよね。
そんな嫌なサプライズを防ぐのにもフロスは役に立ってくれます。
フロスは目では見えないところの虫歯のサインを感じ取りやすい器具とも言えます。
フロスがほつれる、ひっかかる、通すと痛む、フロスを通すと詰め物が外れた、などの症状があると、虫歯ができている可能性があります。
詳しい診断は歯科医院にてレントゲン写真を撮ったりして診断しますが、「いつもと違うな」というサインに早くに気づけたら、そのぶん早く治療に取り掛かることもできます。
なので、ぜひともフロスを普段のお手入れに取り入れていただきたいです。
できれば毎食後のブラッシング時に取り入れていただきたいですが、なかなか歯磨きの時間すら確保しにくい時間帯もあるかと思います。
そのような方には、まずは夜のブラッシング時に取り入れていただくことをおすすめします。
就寝中の口腔内は唾液が出にくくなり乾燥しがちです。そのため虫歯や歯周病が進行する環境になりやすいです。
就寝前のブラッシングを丁寧にすることは口腔環境の向上に繋がりやすいです。
それに、1日の終わりをスッキリとしたお口で過ごせたら、明日も気持ちよく目覚めることができそうですよね。
フロスも様々な種類がありますが、当院ではフロアフロスをおすすめしています。
吸水するとスポンジのようにふわっと広がり、汚れをしっかり絡め取ってくれます。
フロアフロスは指に巻取って使うタイプです。
15〜20センチほどフロスを出し、左手の人差し指、もしくは中指に1/3ほど巻き取ります。
左上奥から順番に歯の噛み合う部分に沿わせ、歯と歯の間の部分に軽く押し込み、左右に軽く行き来させます。
その後、歯間から出し、同様に手前、手前へと進めていきます。
フロスが汚れたら右手の人差し指、もしくは中指に巻き取っていきます。
言葉で聞くと難しいように思いますが、手巻きタイプは慣れると使い勝手が良いですし、使う分のフロスを取り出すので清潔です。
歯肉の溝の汚れもしっかりと取ってくれるので清掃効率も上がり、スッキリ感が味わえます。
もちろん、ホルダータイプの物から慣れていくことも大切なので、ご自身の使いやすいものから取り入れてみてくださいね。
当院のクリーニングでもフロアフロスを使用しております。
どんなものが実物が見てみたい、など、ご興味のある方はスタッフにお声がけくださいね。
③歯間ブラシ
フロスでは抵抗なく通ってしまうくらい広がった歯間部分の汚れや、長いタイプの補綴物の下に入ってしまった汚れを取ってくれる器具です。
歯茎に近いところの歯と歯の間の汚れもしっかり取ってくれます。
歯間ブラシを併用すると、歯ブラシのみだと50%台に留まりますが、なんと90%台まで清掃効率が上がります。
適応部位は歯と歯の間の歯肉や、歯肉退縮した部分や、被せ物の治療後の部分がメインになってきます。
個々のお口の状態に合わせて歯間ブラシのサイズや使用箇所を選んでいくので、歯科医師に確認していただくと良いかと思います。
④歯磨剤
歯ブラシと一緒に使い、ブラッシングの補助的な役割をしてくれます。
プラークや汚れ、着色の除去効果アップ、虫歯や歯周病の予防、口臭除去…など、さまざま薬効成分が配合されている歯磨き剤が多いです。
なので、その日の気候や季節に合わせて服を選ぶように、個々の目的に合わせて歯磨き剤を選択すると良いでしょう。
虫歯予防を目的とするならば、再石灰化を促すような成分が多く入っているものを選び、歯茎が腫れてるときには炎症を抑える成分が多く入っているものを選ぶ、というように。
また、当院では自社開発したトゥースペーストを9月9日より販売しております。
1.歯の表面の着色を落として歯を白くする
2.歯の表面をコーティングして着色を防ぐ
3.知覚過敏の予防
4.虫歯の予防
5.歯周病の予防
6.口臭の予防
7.歯の細かい傷を修復する
上記7つの役割があります。
やはり着色の予防には特化しておりますし、歯質向上するような成分も含まれています。
どんなお悩みに対してもオールマイティに対応でき、気軽にお使いいただける製品となっております。
こちらも当院のホワイトニング、クリーニングのコーティングにて使用しております。
ふわっとした優しい香りと、歯磨き後の優しく、そして爽やかなスッキリ感は、他にはない特徴です。
⑤洗口剤
液体なので隅々まで広がります。
効果的に炎症を防ぎ、歯周病や口臭を予防することができます。
似たようなもので、液体歯磨きなるものもあります。
少し長めにぶくぶくうがいをし、その後ブラッシングする、といった使い方をします。
ペーストタイプの歯磨き粉と併用することで、より一層効果を感じられるかと思います。
歯科清掃器具について、広く浅くですがご紹介させていただきました。
どの器具も使いこなしていくとベストですが、個人的には全ての方に「フロスの使用は必須!」とお伝えしたいです。
フロスを通すだけでも、いつもよりスッキリとした仕上がりになります。
そして歯ブラシと歯磨き剤は自分の歯の形態や歯茎の調子に合わせて見繕えるように、一本ではなく、いくつか種類を持つこともおすすめします。
これは自分の体を知ることにも繋がります。
「週末が近づくと歯茎から出血しがちだな…
疲れがたまってきたのかな」
「着色や歯石がつきやすい部分があるな」
「歯の裏側、舌側を磨くのが苦手だな」
「奥の方はワンタフトなら磨けるな」
など、自分のお口の特徴があると思います。
「毎日必ずするケア」➕「自分にあわせたケア」が出来ると、ホームケアとしては満点と言えるでしょう。
もちろん、ブラッシングテクニックも必要です。
歯磨きは幼い頃からしているとはいえ、細かい動きがほとんどなので実はなかなか難しいです。
毎回しっかり鏡を見て目視しながら磨いているという方ももちろんいらっしゃるとは思いますが、「ながら磨き」になってしまう方も少なくはないと想像します。
そしてどうしても歯ブラシが届かない場所、磨きにくい場所、どなたでももちろんあります。
そういった所のケアは歯科医院にお任せください。
毎日のホームケアと定期的なプロフェッショナルケアを続けていただくことで、お口の環境を健康に整え、維持できることでしょう。
最後に、私事ですが私は食べることが大好きです。
一生、自分の歯で食事をしたいと思っています。
そんな私ですので、みなさまの歯を守ること、健康なお口を作るお手伝い、そのための提案など…私に出来ることならばお力添えさせていただきます。
ホワイトニングのことだけでなく、歯に関するどんなことでも気軽にスタッフにお尋ねくださいね。
そして、ここまで読んでいただいた方。
ぜひとも今日のブラッシング時、ご自身の歯や歯肉の状態をチェックしてみてくださいね。
新たな発見や気づきがあるかもしれません。
あなたのお口にあった器具を使いこなし、一緒にお口の健康を守っていきましょう。
当院より発売しているパールラボトゥースケアは下記より詳細をご覧頂けます。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。