リップアートメイクを受ける前に知っておきたいこと

〜美しい仕上がりのための心構えと注意点〜
マスクを外す機会が増えた今、「口元に自信を持ちたい」「メイクの手間を減らしたい」という方が増え、人気の施術となっています。
しかし、リップアートメイクは医療行為にあたる施術です。
そのため、ただ「色を入れるだけ」ではなく、安全性や体調、アフターケアなど、いくつかの大切な注意点があります。
ここでは、施術を受ける前に知っておいていただきたい心構えと注意事項をまとめました。
目次
まず理解しておきたい「アートメイク=医療行為」であるということ
アートメイクは、専用の細い針を使って皮膚のごく浅い層(表皮)に色素を定着させる施術です。
針を使う以上、感染や腫れなどのリスクが伴うため、必ず医療機関で、医師または医師の管理下で行う必要があります。
一見、サロンでも簡単に受けられるような印象を受けますが、医療資格のないスタッフが行う施術は法律上認められていません。
安心して施術を受けるためには、衛生管理の行き届いた医療機関を選ぶことが何より大切です。
施術当日の体調管理がとても大切
体調がすぐれない日や、生理前後などでホルモンバランスが乱れている時期は、痛みを感じやすかったり、腫れが強く出る場合があります。
また、唇は非常にデリケートな部位であるため、乾燥やひび割れがある状態での施術はおすすめできません。
理想的なのは、唇のコンディションが良いときに受けること。
施術の数日前からリップクリームなどでしっかり保湿しておくと、色の入り方や定着も良くなります。
さらに、ヘルペスの既往がある方は事前申告が必須です。
アートメイクの刺激で再発する可能性があるため、医師の判断で予防的に抗ウイルス薬を服用していただく場合もあります。
安全のため、過去の症状や服薬歴は正直に伝えてください。
デザインと色は「理想」と「似合う」のバランスを大切に
SNSなどで見かける美しい仕上がり写真に憧れて、「この色がいい!」「この形にしたい!」と希望を持って来院される方も多いです。
もちろん理想をお伺いすることは大切ですが、実際にはお一人おひとりの唇の厚み・肌のトーン・顔全体のバランスによって、似合う色味や形は異なります。
カウンセリングでは、希望を伺った上で、医療的・審美的な観点から最も自然に調和するデザインをご提案します。
初回は「少し控えめ」に仕上げるのが基本です。
アートメイクは1回で完成するものではなく、2回〜3回に分けて少しずつ色を重ねていくことで、ムラのない美しい発色になります。
焦らず丁寧に仕上げていくことが、結果的に満足度の高いリップへとつながります。
施術後の経過とアフターケア
施術直後は、唇に腫れや赤みが出ることがあります。
個人差はありますが、1〜3日ほどで落ち着くのが一般的です。
また、施術直後の色味は濃く見えますが、1週間ほどで角質とともに一度色が薄くなり、最終的に自然な発色に落ち着きます。
「思ったより薄い…」と感じても、焦らずに経過を見守ってください。
アフターケアとしては、
唇を清潔に保ち、触らない
かさぶたを無理に剥がさない
保湿をこまめに行う
熱い食べ物・飲み物、アルコール、激しい運動は数日控える
といった点を守っていただくことが大切です。
また、1週間ほどは口紅やティントの使用を避け、保湿剤のみで過ごす期間を設けると、よりきれいに定着します。
「完璧」を求めすぎず、自然体の美しさを大切に
アートメイクは、あくまで「素の状態をより美しく見せる」ためのサポートです。
リップラインを整えることで顔全体の印象が明るくなったり、くすみをカバーして健康的に見えるなど、ナチュラルな変化が魅力です。
しかし、完璧な左右対称や、常にメイク後のような鮮やかさを追求すると、かえって不自然に見えてしまうこともあります。
自然体で魅力的に見える“あなたらしい美しさ”を引き出すことがアートメイクの本質です。
そのためにも、施術者との信頼関係と、丁寧なカウンセリングが欠かせません。
リップアートメイクは消えないからこそ“似合う色”を選ぶ
そしてもうひとつ、リップアートメイクを受けるうえで大切なのが「長期的な視点」を持つことです。
リップアートメイクは、一度入れると完全には消えず、数年にわたって色味が残ります。
そのため、流行や一時的な好みではなく、「自分に本当に似合うデザインとカラー」を選ぶことが大切です。
年齢を重ねても自然に馴染む色や、普段のメイクやファッションに合うトーンを意識することで、長く美しい仕上がりを楽しむことができます。
流行りの派手な色よりも、自分らしさを引き立てる上品な色味を選ぶことが後悔しないリップアートメイクの秘訣です。
最後に:安心して施術を受けるために
リップアートメイクは、毎日のメイクを楽にし、すっぴんでも自信を持てる素敵な施術です。
一方で、医療的なリスクを理解し、正しい知識と準備をもって臨むことが大切です。
体調や肌状態を整え、施術後のケアを丁寧に行うことで、美しい仕上がりを長く楽しむことができます。
口元は、その人の印象を大きく左右する大切なパーツ。
あなたの「なりたいイメージ」を大切にしながら、自然で上品な口元を一緒に叶えていきましょう。
コラム執筆者

パールホワイトニング
院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年からホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニングを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。

