リップアートメイクはなぜ2回セット?きれいな発色に必要な「色のベース作り」
「リップアートメイクをするなら、1回で好きな色にできるのでは?」そう思われる方も多いかもしれません。
しかし、当院のリップアートメイクは基本的に2回セットでご案内しています。その理由は、単純に「2回色を入れたほうが濃くなるから」ではありません。
実はリップアートメイクでは、もともとの唇の色やくすみを考慮して色を作ることが、とても重要です。
今回は、なぜ2回に分けることでよりきれいな発色を目指せるのか、色彩学や皮膚の仕組みを交えながらご説明します。
唇は「真っ白なキャンバス」ではない
リップアートメイクでは、専用の色素を唇の皮膚に入れて色をつけていきます。ただし、私たちの唇は真っ白なキャンバスではありません。
もともとの唇には、一人ひとり異なる赤みや血色があり、さらにメラニンによる色素沈着などによって、ブラウン、紫、グレーなどのくすみが見られることがあります。
そのため、例えば「明るいピンクにしたい」と思ってピンクの色素を入れても、唇のベースカラーにくすみが強く残っていると、ピンク本来の色がきれいに見えないことがあります。
イメージとしては、
もともとの唇の色+くすみ+アートメイクの色素
が組み合わさって、最終的に見える色が決まるということです。
色素は「上から塗れば消える」?
ここがリップアートメイクで重要なポイントです。絵の具のように、暗い色の上から明るい色を塗れば完全に隠せる、というわけではありません。
皮膚は透明ではありませんが、光が皮膚の中に入り、散乱・吸収・反射することで、私たちは唇の色を認識しています。
そのため、下にあるくすみが強い状態で明るい色を入れると、色素本来の発色ではなく、くすみと混ざったような色味に見えることがあります。
「ピンクを入れたのに、思ったよりくすんで見える」
というのは、こうした唇のベースカラーが関係していることがあります。
1回目は「理想の色を入れる前のベース作り」
そこで重要になるのが、1回目の施術です。
当院では、くすみが気になる唇の場合、1回目から理想のカラーを強く入れるのではなく、まず唇全体の色調を整えることを重視します。
色彩学では、ある色を反対側の色で補正することで、色味を中和する「補色」という考え方があります。
例えば、青みや紫みには黄〜オレンジ系、緑みには赤系など、反対の色を利用して色調を整えていきます。ただし、実際の施術では「紫だから黄色」というように単純に決めるわけではありません。
唇のくすみ方、赤み、肌との色のバランスなどを見ながら、一人ひとりに合わせて色素を選択していきます。
つまり1回目は、理想の色を完成させるための下地作りという重要な役割を持っています。
2回目で「理想の色」を重ねていく
ベースとなる唇の色が整ったら、いよいよ2回目です。1回目で整えたベースに、ピンク、ローズ、レッドなど、ご希望の色味を重ねていきます。
ベースカラーを整えてから色を重ねることで、色味をより活かした発色を目指すことができます。これは、絵を描くときにいきなり色を塗るのではなく、まず下地を整えてから色を重ねるのと似ています。
「2回=濃くする」ためではない
ここまで読んでいただくと、2回セットの意味がお分かりいただけると思います。
リップアートメイクの2回セットは、
1回目:唇のくすみ・色ムラを補正し、ベースを整える
↓
色が落ち着いた状態を確認
↓
2回目:その状態に合わせて理想のカラーを重ねる
という考え方です。
もちろん、唇の色やくすみの程度には個人差があります。そのため、すべての方が同じ色素・同じ方法で施術するわけではありません。
また、「くすみを落とす」といっても、メラニンを直接除去するという意味ではなく、色素によって唇の色調を補正し、くすみを目立ちにくくするという意味です。
施術例


リップアートメイクは、単純に「好きな色を入れる施術」ではありません。
その人が持っている唇の色を見極め、ベースを整えたうえで、理想の色を重ねていく。この一つひとつの工程を大切にすることで、より自然で、透明感のある、希望に近い色味を目指すことができます。
「せっかくリップアートメイクをするなら、できるだけ理想の色にしたい」そんな方にこそ、2回に分けて丁寧に色を作っていくことをおすすめしています。
パールホワイトニングではリップアートメイク、ホワイトニングともにカウンセリングのみのご来院も可能です。唇のくすみや歯の黄ばみに悩まれている方はぜひご活用ください。
コラム執筆者
パールホワイトニング
院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年からホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニングを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。