大学生もホワイトニングする?
「ホワイトニングはもう少し大人になってからするもの」
そんなイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、大学生や20代前半の方が医療ホワイトニングを希望されるケースも珍しくありません。
成人式や卒業式、就職活動、旅行など、大学生になると写真を撮る機会や人と出会う機会が増えてきます。また、InstagramやTikTokなどのSNSを通して、自分自身の写真や動画を見る機会が増えたことも、歯の色を意識するきっかけの一つになっているかと思います。
最近では、写真アプリでの加工よりもノーマルカメラでの自然な写真を好まれる若い方も増えており、実際の歯の色味が以前よりも気になる方も多いのではないでしょうか。
パールホワイトニングにご来院される大学生の方にご来院してくださることもあります。
大学生の方からよく聞くのが、「セルフホワイトニングに行ってみたけれど、あまり白くならなかった」というお話です。
そこで今回は、大学生のホワイトニングについて、セルフホワイトニングと歯科医院で行う医療ホワイトニングの違いも含めて、歯科医師の立場から詳しく解説します。
目次
そのホワイトニング、本当に「歯を白く」していますか?
現在、「ホワイトニング」という言葉は非常に幅広い意味で使われています。
歯科医院で行う医療ホワイトニングだけでなく、ホワイトニングサロンやセルフホワイトニング、ホワイトニング歯磨き粉など、さまざまなサービスや商品に「ホワイトニング」という名称が使われています。
しかし、ここで知っておきたいのが、すべての「ホワイトニング」が、歯そのものの色を白くするわけではないということです。
歯が黄色く見える原因は、大きく分けると「歯の表面についている着色」と「歯そのものの色」の2つがあります。
例えば、コーヒーや紅茶、緑茶などによるステインは歯の表面に付着した着色です。このような着色であれば、クリーニングや研磨などによって除去することで、本来の歯の色に近づけることができます。
一方で、「着色を取っても歯が黄色い」 「もともとの歯の色をもっと明るくしたい」
という場合には、表面の汚れを落とすだけでは十分ではありません。
歯そのものの色を明るくするためには、歯の内部に存在する色素に働きかける「漂白(ブリーチング)」が必要になります。
セルフホワイトニングで歯そのものが白くならない理由
学生の方の場合、「まずは安いものから試してみよう」と、セルフホワイトニングを選択されることがあります。
もちろん、セルフホワイトニングそのものを否定するわけではありません。歯の表面の汚れや着色を除去することを目的とするのであれば、一つの選択肢になる場合があります。
ただし、歯そのものの色を白くしたい場合には、医療ホワイトニングとは作用が異なることを理解しておく必要があります。
日本歯科審美学会では、歯の漂白効果が学術的に認められている方法として、過酸化物を使用するホワイトニングを挙げています。
医療ホワイトニングでは主に「過酸化水素」や「過酸化尿素」と呼ばれる成分を使用します。
過酸化水素はエナメル質から歯の内部へ浸透し、着色の原因となる有機色素(発色団)に酸化反応を起こします。色素を構成する化学構造が変化することで光の吸収特性が変わり、結果として歯が明るく見えるようになります。
つまり、医療ホワイトニングは単純に「歯の表面をきれいにしている」のではありません。歯の内部の色に化学的にアプローチしている治療です。
一方、一般的なセルフホワイトニングでは、歯科医院で使用する医療用のホワイトニング剤を使用することはできません。
そのため、「表面の着色を落として本来の歯の色に近づけること」と、「歯そのものの色を明るくすること」は分けて考える必要があります。
「ホワイトニングに行ったのに思っていたほど白くならなかった」という場合には、そもそも受けていた施術が、自分が求めている“白さ”に適した方法ではなかった可能性があります。
大学生に医療ホワイトニングは早い?
「まだ大学生なのにホワイトニングするのは早いですか?」という質問をいただくことがあります。
年齢だけを理由に、「大学生だからホワイトニングは必要ない」と考える必要はありません。
むしろ大学生は、
・成人式
・卒業式
・就職活動
・留学
・旅行
・記念撮影
・人前に立つイベント
など、歯の色を意識するタイミングが多い時期でもあります。
また、ホワイトニングは必ずしも「真っ白な歯にするため」だけに行うものではありません。
現在の歯の色から自然にトーンアップさせることで、清潔感のある口元を目指すこともできます。
大切なのは年齢ではなく、現在の歯や歯ぐきの状態を確認したうえで、その方に適した方法を選択することです。
「安いから」で選ぶ前に、何を目的にするのかを考えてみる
大学生の場合、ホワイトニングにかけられる予算も重要だと思います。
そのため、「1回数千円なら試しやすい」 「セルフホワイトニングの方が安い」
という理由で選択すること自体は自然なことです。
ただ、ここで一度考えていただきたいのが、「自分は何を目的としてホワイトニングをしたいのか?」ということです。
歯の表面についている着色をきれいにしたいのであれば、クリーニングが適している可能性があります。セルフホワイトニングで歯を白くすることはできないので、安さだけに目がいくと結局のところ得たい結果にならなかったという結果になりかねません。
一方、
「もともとの歯の黄ばみが気になる」
「今より明るい歯にしたい」
「写真を撮ったときの歯の黄色さが気になる」
ということであれば、歯そのものの色を変化させる医療ホワイトニングの方が目的に合っている可能性があります。
料金だけではなく、自分が求める結果に対して、その方法が医学的に適しているのかを考えることが大切です。
ホワイトニング前の口腔内の診察もとても大切です
医療ホワイトニングのメリットは、単に強い薬剤を使用できることだけではありません。ホワイトニングを行う前に、歯科医師が口腔内を確認できるということも重要です。
例えば、歯が黄色く見えていても、その原因がすべて同じとは限りません。
表面の着色、歯石、むし歯、詰め物や被せ物、神経を失った歯、テトラサイクリンによる変色など、原因によって適切な対応は異なります。
また、ホワイトニング剤は天然歯には作用しますが、基本的に詰め物や被せ物の色を白くすることはできません。
「とにかくホワイトニングをすれば全部白くなる」というわけではないからこそ、最初に口腔内を診査し、現在の歯の状態を把握することが重要なのです。
大学生だからこそ「正しいホワイトニング」を知ってほしい
美容医療や美容サービスが身近になった現在、大学生の方でも気軽にホワイトニングについて調べられるようになりました。
一方で、「ホワイトニング」という同じ名称であっても、その作用や目的には大きな違いがあります。
パールホワイトニングでは、単に歯を白くすることだけを目的とはしていません。
「なぜこの歯は黄色く見えるのか」
「クリーニングだけで改善できるのか」
「ホワイトニングが必要なのか」
「どの程度の白さを目指すのか」
一人ひとりのお口の状態や希望を確認しながら、必要な方法をご提案しています。
大学生だからホワイトニングは早い、ということはありません。
ただし、せっかく時間と費用をかけるのであれば、
「そのホワイトニングは、自分が求めている白さを実現できる方法なのか」を一度考えてみてください。
表面の着色を落とすことと、歯そのものの色を白くすることは、同じではありません。正しい知識を持って自分に合った方法を選ぶことが、満足できるホワイトニングへの第一歩です。
コラム執筆者
パールホワイトニング
院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年からホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニングを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。