歯に白い斑点や線がある?その理由と対策について
鏡で自分の歯を見ると、なんだか白い斑点や線がある?しかも全部の歯にではなく部分的に…
この症状は年齢問わず、割と多く見られる症状のひとつです。
この白い斑点の正体は何なのか?斑点の理由やその対策について今回は解説していきます。突如見つけてしまった白い斑点、気になる方はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
歯に白い斑点や線ができる理由
歯に現れる白い斑点や線のことをホワイトスポットと呼びます。このホワイトスポットの原因は歯の表層を構成するエナメル質の形成不全により起こるものです。
ここで歯の構成要素について図を用いて説明します。
歯は表層からエナメル質、象牙質、神経の3層の構造から構成されています。
ホワイトスポットはこのエナメル質が形成される際に部分的に形成が正常に起こらないことにより、引き起こされます。この形成不全部分だけエナメル質の構造状に異形をきたすため、自然光が当たる際の屈折率が変化し、部分的に白く見えてしまいます。
エナメル質形成不全症は様々な要因により引き起こされます。
代表的な要因を以下に挙げます。
エナメル質形成不全症の原因
①遺伝的要因
エナメル質形成不全症には、遺伝的な異常が関与していることがあります。この場合、エナメル質形成不全は遺伝性疾患の一部として現れることがあります。
主な遺伝性疾患
• アメロジェネシス不全症 (Amelogenesis Imperfecta)
エナメル質形成不全症の中でも、特に遺伝的要因によるもので、常染色体優性、劣性、X染色体関連などさまざまな遺伝形式があります。エナメル質の厚み、硬さ、色が異常になるのが特徴です。
②環境的要因
エナメル質形成不全は、胎児期や小児期における環境的な影響でも引き起こされます。歯の発育中(特にエナメル質が形成される時期)に以下のような要因が影響を与えることがあります。
主な環境要因
1.栄養不足
• ビタミンD欠乏やカルシウム不足によりエナメル質の形成が妨げられることがあります。
• たとえば、くる病(ビタミンD欠乏性疾患)が原因となることがあります。
2. 母体の健康状態
• 妊娠中の母親の病気や栄養状態が、胎児の歯の発育に影響を与える場合があります。
3. 全身的な疾患
• 重度の感染症(例: 麻疹、風疹、水痘など)
• 慢性疾患(例: 腎疾患、代謝異常)
• 内分泌障害(例: 甲状腺機能低下症)
4. 薬剤の影響
• テトラサイクリン系抗生物質を歯の発育期に服用した場合、エナメル質や象牙質に着色や欠損が見られることがあります。
5. フッ素過剰摂取(フッ素症)
• フッ素を過剰に摂取するとエナメル質に白斑や褐色斑が現れることがあります。
6. 外傷
• 歯胚が外部からの物理的損傷を受けた場合、エナメル質形成不全を引き起こすことがあります。
7. 早産や低体重出生
• 未熟児や低体重出生児では、エナメル質形成に必要な栄養供給が不十分であることが多く、リスクが高まります。
③化学的要因
エナメル質形成に影響を与える化学物質に暴露されることで発症する場合があります。
• 鉛や水銀などの有害物質
• 胎児期や小児期にこれらの有害物質に曝露されると、歯の発育に悪影響を与える可能性があります。
④ 局所的要因
• 隣接する歯の感染(ターナー歯)
• 永久歯の歯胚が乳歯の感染や外傷によって影響を受け、局所的なエナメル質形成不全が生じることがあります。
歯に白い斑点や線がある場合の対策
この対策としては、エナメル質形成不全症が軽症か重症かにより対策が変わります。それぞれの対策を見ていきましょう。
エナメル質形成不全症が軽症の場合
エナメル質形成不全症が軽症の場合というのは、白くなっている部分の面積の小ささや白さの度合いが薄い場合のことを指します。
この場合にはホワイトニングが有効です。
ホワイトニングをすることにより、ホワイトスポット部分の白い部分と、正常な歯の部分の黄色い部分の差が縮まり、目立っていた白い部分が周囲と馴染みます。それにより、ホワイトスポット自体が目立つことを解消できます。
また、エナメル質形成不全症の方がホワイトニングをする場合には、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用したデュアルホワイトニングが最も効果的です。デュアルホワイトニングに関して詳しくは、次の記事を参考にしてみてください。
https://pearl-whitening.info/column/column/1618/
エナメル質形成不全症が重症の場合
エナメル質形成不全症が重症というのは、白くなっている部分の面積が広く(1カ所あたりの)、白さの色合いが濃い場合を指します。
この状態を改善するための方法としては、ホワイトスポット部分を削り、白い歯科材料(レジン)を詰めるという処置が効果的です。レジンは一度、詰めるとそれ自体の色味を変更する事ができないので、納得のいく白さにするために、事前にホワイトニングを行った上でレジン修復をされるのもおすすめです。
また、エナメル質形成不全部分は虫歯などに罹患しているわけではないため、削らずに経過観察をされるという選択をされる方も中にはおられます。
今回は歯にできる白い斑点や線(ホワイトスポット)について解説しました。この記事がホワイトスポットに悩まれる方の参考になりますと幸いです。
パールホワイトニング大阪肥後橋院・梅田院の2院は、スタッフ全員が女性歯科医師である全国でも非常に稀なホワイトニング専門歯科医院です。受付〜カウンセリング〜施術〜アフターフォローまでを一貫して歯科医師が担当し、患者様お一人お一人に合わせたご提案を自信を持ってさせて頂いています。
「ホワイトニングに興味はあるけれど、どんなものか分からなくて不安」という方や今のご自身の黄ばみの程度や似合う歯の白さを知りたい!と思われる方はぜひ、カウンセリングをご活用ください。当院ではカウンセリングも歯科医師が行いますので、安心してご来院くださいね。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。