テトラサイクリン歯とホワイトニングの関係性〜テトラサイクリン歯はホワイトニングで改善するのか?
テトラサイクリン歯は、特定の抗生物質テトラサイクリンの使用により引き起こされる歯の変色です。特に、歯が形成される発育期にテトラサイクリンを摂取した場合に発生しやすく、大人になっても色が変わらないことが多いです。大人の歯が体の中でつくられるのは0歳〜12歳頃で、幼い頃にテトラサイクリン系の抗生物質を摂取したという記憶が薄い方(もしくは覚えていない方)も多いです。テトラサイクリン歯の特徴としては、歯がグレー色をしていたり、または歯に横線が入り、縞模様のような状態をとぃしていますが、その状態や程度はさまざまです。グレー味がかかった歯の色味は長年気にされている方も多いです。この記事では、テトラサイクリン歯がホワイトニングで改善するのかどうか?やホワイトニングに関する効果的なアプローチとその限界について詳しく説明します。
目次
テトラサイクリン歯とは?
テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質の副作用として生じる歯の変色です。この薬を子供の頃に摂取すると、歯のエナメル質や象牙質に沈着し、黄色、灰色、茶色、さらには黒色に変色することがあります。この変色は非常に頑固で、通常の歯磨きやホワイトニングでは改善しません。
テトラサイクリン歯のホワイトニング方法
テトラサイクリン歯のホワイトニングには、いくつかのアプローチがあります。それぞれの方法について、その効果と限界を見ていきましょう。
・ オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングで、高濃度の過酸化水素や過酸化尿素を使用します。レーザーやLEDライトを併用することで、ホワイトニング効果を高めることができます。テトラサイクリン歯の場合、効果が現れるまでに数回の施術が必要なことがあり、さらに通常の歯と比較すると効果が出るのに時間を要する場合があります。
・ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で作成したカスタムトレーを用いて、自宅でホワイトニングジェルを使用する方法です。数週間から数ヶ月にわたって継続的に使用することで、徐々に歯を白くしていきます。オフィスホワイトニングと組み合わせることで、より効果的な結果が期待でき、テトラサイクリン歯の変色に対する適応度も高いのが特徴です。
・ラミネートベニア
ラミネートベニアは、薄いセラミックやコンポジット樹脂を歯の表面に貼り付ける方法です。これにより、変色を隠し、見た目を改善することができます。
・クラウン(被せ物)
クラウンは、歯全体を覆う被せ物で、テトラサイクリンによる変色が非常に強い場合や歯の構造が損なわれている場合に使用されます。クラウンは見た目が自然で、完全に変色を隠すことができます。ただし、歯を削る範囲が広く侵襲性がオフィスホワイトニングやホームホワイトニングに比べると高いので、まずは不可逆的なホワイトニングを試されてから検討されるのが良いかと思います。
テトラサイクリン歯のホワイトニングの限界
テトラサイクリン歯のホワイトニングには、いくつかの限界があります。以下にその主な点を挙げます。
変色の深さ
テトラサイクリン歯の変色はエナメル質や象牙質の深部にまで及んでいるため、表面的なホワイトニングでは改善が難しい場合があります。特に重度の変色は、ホワイトニングの効果が限られることが多いです。また、変色の濃い部分のホワイトニング効果が得られにくく、強い変色が部分的に残る可能性があります。
効果の持続性
ホワイトニングの効果は永久ではなく、時間の経過とともに元の色に戻ることがあります。これはテトラサイクリン歯に限った事ではありませんが、ホワイトニング効果を維持するためには定期的なメンテナンスが不可欠です。
テトラサイクリン歯で効果的にホワイトニング効果を得るためには
・デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用することで、効果を最大化することができます。
デュアルホワイトニングについては次の記事を参考にしてください。https://pearl-whitening.info/column/column/1618
・定期的なメンテナンス
ホワイトニングは定期的にメンテナンスを行うことで、効果を持続させることができます。歯科医師の指導の下で、適切なケアを続けることが重要です。
テトラサイクリン歯のための日常ケア
テトラサイクリン歯のホワイトニング効果を最大限に引き出すためには、日常的なケアも重要です。以下に、おすすめのケア方法を紹介します。
【研磨成分の少ない歯磨き粉の使用】
研磨剤が少ないものを選び、歯や歯茎に優しい製品を使用することが重要です。
【定期的な歯科クリーニング】
定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けることで、歯の表面の汚れや歯石を除去し、ホワイトニング効果を維持しやすい状態を保てます。
テトラサイクリン歯のホワイトニングは、通常の歯のホワイトニングに比べて難易度が高いですが、適切な方法を選択し、継続的なケアを行うことで、改善することが可能です。特にテトラサイクリン歯は長い期間悩まれている方も多い症例の一つです。テトラサイクリン歯にお悩みの方は、歯科医師と相談し、自分に最適なホワイトニング方法を見つけて頂けますと幸いです。
パールホワイトニング大阪肥後橋院はスタッフ全員が女性歯科医師である全国でも非常に稀なホワイトニング専門歯科医院です。カウンセリング〜施術〜アフターフォローまでを一貫して歯科医師が担当し、患者様お一人お一人に合わせたご提案を自信を持ってさせて頂いています。
「ホワイトニングに興味はあるけれど、どんなものか分からなくて不安」という方や今のご自身の黄ばみの程度や似合う歯の白さを知りたい!と思われる方はぜひ、カウンセリングをご活用ください。当院ではカウンセリングも歯科医師が行いますので、安心してご来院くださいね。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。