ホームホワイトニングとセルフホワイトニングってどっちがいいの?
「ホワイトニングに興味はあるけど、種類が多すぎてわからない。」
「歯を白くしたいけど、値段が高そう。」
「定期的に歯科医院に通うことが難しい。」
このような理由でホワイトニングを始めることができていない方も多いのではないでしょうか?
けど、ホワイトニングに興味がある。ホワイトニングをしてみたい。
今抱えている歯の黄ばみという悩みやコンプレックスを解消したい。
真っ白な歯を手に入れたくありませんか?
ホワイトニングは大きく分けて4種類あります。
- 歯科医院で歯科医師または歯科衛生士による施術をうける「オフィスホワイトニング」
- 歯科医院で受診を受け、自宅で自分で行う「ホームホワイトニング」
- オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた「デュアルホワイトニング」
- 自宅やサロンで、自分で行う「セルフホワイトニング」
コロナ禍により自宅にいる時間が増えた方、非対面接客に魅力を感じるようになった方も多いのではないでしょうか?
今回は自分で行うことができるという点に着目して、「ホームホワイトニング」と「セルフホワイトニング」をご紹介致します。
目次
セルフホワイトニングとは
セルフホワイトニングとは、歯科医院を受診することなく自分でホワイトニングを行うことです。
大きく分けて2種類あります。
セルフホワイトニングはサロンや専門店で行う
サロンや専門店で行うセルフホワイトニングとは、店員さんから説明を受け自分で施術を行うものです。
基本的にホワイトニングは、歯科医師または歯科衛生士以外行うことができないと法律で定められています。
そのため、セルフホワイトニングでは自分で薬剤を塗布、照射を行います。
歯科医院で行われるホワイトニングに使用されている薬剤は「歯の色素を漂白する」ものであり、使用にあたり歯科医師の診断が必要です。
そのため、サロンや専門店では歯科医師の診断が必要ではない薬剤の濃度が低いものが使用されています。そのため、オフィスホワイトニングと比べると効果には差があります。
ただ、施術を店員ではなく、自分でが行うため人件費を抑えることができます。
そのため、歯科医院で行われるホワイトニングに比べ費用が大幅に安いことが特徴です。
ホワイトニングをサロンで行うか、歯科医院で行うか悩まれている方は、それぞれの違い、特徴を調べた上で選択されることをおすすめします。
オフィスホワイトニングとセルフホワイトニングの違い
セルフホワイトニング | オフィスホワイトニング | |
目指す白さ | 本来の歯の白さ | 本来の歯以上の白さ (過酸化水素水を使用) |
効果がある着色の原因 | 食べ物、飲み物による着色 | 歯そのものの黄ばみ、黒ずみ |
効果を実感できる回数 | 3〜5回 | 1回 |
費用 | 1回あたり2,000円〜 5,000円程度 | 1回あたり10,000円〜40,000円程度 トータルで数十万円かかることも |
一番の大きな違いは実現できる歯の白さの違いです。
セルフホワイトニングはその人がもつ本来の歯の白さに、オフィスホワイトニングでは本来の歯以上の白さを実現することができます。
なぜなら、セルフホワイトニングでは使用することのできない「過酸化水素」をオフィスホワイトニングでは使用することができるからです。
過酸化水素は殺菌・漂白作用を持つ水溶液で、傷口の消毒や衣類用漂白に利用されています。
歯をホワイトニングする際は、30%程度の過酸化水素水を利用します。
高濃度の過酸化水素水は劇物にあたり、用法を間違えば危険であることから「歯科医師もしくは歯科医師の指導の歯科衛生士が処置すること」と法律で決められています。
そのため、本来以上の白さを追求する場合は、歯科医院での施術が必要です。
2番目の違いは、やはり費用面。
セルフホワイトニングとオフィスホワイトニングでは大きな違いがあります。
人件費を抑えることができるセルフホワイトニングに比べて、歯科医院で受けるホワイトニングは自費診療なので、値段の設定は様々です。
自宅で行うホワイトニング
自宅で行うものと言っても、様々なものがあります。
1.ホワイトニング効果のある歯磨き粉
ドラックストアや通販でよく見かけますよね。
もしかしたら、使用したことがある、使用しているという方も多いかもしれません。
歯磨き粉に含まれる成分に着目したことはありますか?
〈ホワイトニング効果が期待できる成分〉
- ポリリン酸ナトリウム
歯の表面についた着色や汚れを落としてくれる働きがあります。
また、歯をコーティングし、着色や汚れが再び付着するのを予防する効果も期待できます。 - ハイドロキシアパタイト
歯の表面が粗くなり、光沢が見られない方におすすめです。
歯の表面であるエナメル質に近い成分で、歯の表面にある目に見えない傷を埋め、歯の表面を整える効果が期待できます。
歯の表面が整うため、歯垢や着色汚れが起こりにくくなります。 - 研磨剤
歯の表面についた着色や汚れを落としてくれる働きがあります。
着色の大きな原因となる、たばこをよく吸う方、赤ワインやコーヒーをよく飲む方にとって、効果的であると言えます。
しかし、研磨剤の入った歯磨き粉を多用すると、歯の表面であるエナメル質を傷つけてしまう恐れがあります。
エナメル質の中を象牙質といい、これは神経に繋がっています。
研磨剤により、象牙質を傷つけてしまうと知覚過敏症に繋がる可能性もあるので、使用頻度には注意が必要です。
普段は研磨剤の入っていない歯磨き粉を使用し、着色汚れが気になったときにのみ研磨剤が含まれた歯磨き粉を使用することをおすすめします。
市販の歯磨き粉は、あくまでも歯の汚れを落とすものです。
つまり、生まれ持った歯の色の白さまでしか戻すことができません。
毎日使用することで、食べ物や飲み物、タバコによる着色汚れを防ぐことができます。
2.歯のマニキュア
初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?
マニキュアといえば、爪に塗るものを思い浮かべますよね。
歯のマニキュアとは歯の表面に白色や透明の塗料を塗る「マスキング効果」によって歯を白く見せることができるアイテムです。
自宅で簡単に行うことができ、一時的に(1日間)白い歯を手に入れることができます。
市販で購入することができます。
塗り方によっては、色むらが出やすいので工夫が必要です。
使用後は、入念な歯磨きをして、マニキュア部分を取り除くように注意しましょう。
虫歯、歯周病、口臭などの歯周トラブルに繋がる可能性もあります。
3.歯の消しゴム
こちらも初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか?
ホワイトニングの歯の消しゴムとは、消しゴムのように歯の表面を削って着色汚れを落とします。
歯の部分に付着したステインやヤニなどに効果的です。
ピンポイントで落としたい汚れを落とすことができます。
インターネットなどでは海外製の歯の消しゴムが販売されていますが、研磨力が強すぎて歯の表面を傷つけてしまう商品もあります。
歯の表面を削っているということを忘れずに、使用頻度や使用方法には十分に気をつけるべき商品です。
4.ホワイトニングシート
こちらは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
少し前に、SNSで話題になっていましたよね!
実はホワイトニングシートはアメリカで定番なんです。
ホワイトニングテープは薄いフィルム状の素材からできていて、直接歯に貼り付けて使用します。
オフィスホワイトニングでも使用されている過酸化水素が10%含まれているので、直接歯に作用してホワイトニングしてくれます。
他に紹介したセルフホワイトニングと比較しても、簡単にケアできてなおかつ即効性もあるため、SNSで話題になりました。
ただ、先ほども言いましたが高濃度の過酸化水素は劇物です。
日本では濃度6%を超えると劇物に指定され、薬局で取り扱うことができません。
こういった理由から、日本ではホワイトニングテープをあまり見かけないのです。
ホームホワイトニングとは
歯科医院で自分の歯並びにあったマウスピースを作成し、専用の薬剤をマウスピースに入れ、装着することによって歯を白くする方法です。
1回あたり数時間装着し、2〜4週間ほど毎日継続してホームホワイトニングを行います。
そうすることで効果を実感することができます。
オフィスホワイトニングに比べて低濃度の薬剤を使用するので、効果が出るまでに時間はかかりますが、ゆっくりかけて白くしていく分、効果が長く継続するというメリットがあります。
マウスピースの装着時間は、1日1回、大体2時間程度。
けっして短い時間ではないですよね。
「ホワイトニングをしながら」テレビをみたり、ストレッチをしたり、勉強したり。
白い歯を手に入れながら、おうち時間を楽しみましょう。
オフィスホワイトニングと比べて色素の分解が細かくなるため、色戻りまでの時間が長い(=色持ちがいい)という点がメリットの1つです。
ゆっくり掛けて白くすることで、歯の表面の荒れを抑えることができ、透明度のある仕上がりになります。
またマウスピースを作成すれば、あとは歯科医院で薬剤を購入すればいつでもホワイトニングを行うことができるので、コストパフォーマンスが高いです。
一度やめても、薬剤さえあればいつでもホワイトニングを再開することができるのもいいですよね。
ただ、歯の白さに満足するまでは毎日使用することが勧められています。
自分で行うのがめんどくさく感じる方、まとまった時間を取ることができない方には難しいのかもしれません…。
そんな方は、一度で効果を実感できるオフィスホワイトニングが向いているのかもしれませんね!
なりたい歯の白さ、自分に合っている方法、時間、費用など、様々な観点から、あなたに合った方法を見つけてくださいね!
ホームホワイトニングで使用される薬剤は医薬品に準ずる扱いになっています。
歯科医院を受診のうえ、歯科医師の指導のもと行うようにしましょう。
また、海外製品を独自に取り寄せてホワイトニングを行う方もいますが、なかには歯をより白くする成分が含まれた、厚生労働省の認可を得ていない薬剤も多くあります。
とても危険なため、歯科医院で適切な薬剤を購入しましょう。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。