【初めてのホワイトニング】基礎知識とおすすめの施術法
歯医者に足を運んだときだけでなく、今やテレビやインターネットの広告、あるいはドラッグストアの店頭でも目にするホワイトニングアイテム。
歯科矯正と同様に、歯の美しさは他人に好印象を与える要素の一つとして注目を集めています。
一方で、ホワイトニングアイテムや施術方法も多数存在するため、初めてホワイトニングをする際には、選択肢が多く何から始めるべきか分からないという人も多いです。
この記事では、ホワイトニングに関する基礎知識を中心にご紹介しながら、おすすめのホワイトニング方法についてもご紹介していきます。
ホワイトニング初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ホワイトニングとは
まずは、そもそもホワイトニングがどういったものなのかについて説明していきます。
ホワイトニングとは、歯の着色を薬剤を用いて取り除き、白くする施術方法です。
歯を削ったり被せものをしたりすることがないので、歯への負担が少ないのが特徴です。
歯の着色の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- タバコなどに含まれるタール
- お茶やコーヒーなどの茶渋
- 色素の強い食べ物
- 歯石の蓄積
歯のエナメル質の表面だけの着色でとどまっている場合は、歯石除去など歯の表面をクリーニングすることによってある程度の着色は取り除くことができます。
一方で、歯のエナメル質の内面まで着色してしまっていたり、もともと歯の色が黄味がかっている人などは、クリーニングでは歯の着色を改善することはできません。
そういった、歯そのものの黄ばみを取り除きたいという場合には、前述したとおり漂白作用のある薬剤を用いた「ホワイトニング」の施術が必要となります。
ホワイトニングで実現できること
では実際にホワイトニングを行うにあたって、どのようなことを実現でき、どのようなメリットをもたらすのかを紹介していきます。
生まれつき黄味がかっている歯を白くできる
ちょっとした着色や歯石による歯の汚れを除去するクリーニングでは取り除けなかった歯の黄ばみを改善できるのが、ホワイトニングの一番の強みと言っても過言ではないでしょう。
どれだけ毎日ブラッシングやフロスなど歯の手入れを心がけている人でも、一生真っ白な歯を維持し続けることは非常に難しいです。
また、生まれつき歯が黄色っぽい人もいます。歯の手入れを怠っているわけではないのに黄ばんで見えてしまうことで、歯を見せて笑うことにコンプレックスを覚えてしまうといった人には、ぜひホワイトニングを実践していただきたいです。
口臭を改善できる
口臭の原因は、主に口腔内で増えた細菌によるものです。
ホワイトニングに使用する薬剤には、歯を漂白する薬剤もあれば歯の汚れを除去することが目的の薬剤もあります。ホワイトニングをすれば歯の汚れと同時に細菌を除去することにつながり、自然と口臭を改善することができます。
さらに、ホワイトニングの施術では、歯に汚れや細菌がつきにくくするコーティングの効果もあります。歯の白さと同時に口臭の予防ができることで、より清潔な口腔環境を手に入れることができるのです。
歯のこまめな手入れをする習慣がつく
一度清潔で白い歯を手にすることができれば、誰もがそれを維持したくなるのは当然のこと。
元の歯が白いと、ちょっとした汚れにもすぐ気づくことができますし、白さや清潔さを維持するためにこまめで丁寧なブラッシングを心がける習慣がつきやすくなります。
また、自分の歯がコンプレックスで歯医者に足を運びづらかった人も、ホワイトニングをすることによって歯医者への定期検診に足を運びやすくなるケースも少なくありません。
歯を清潔な状態に保つことは、まさに良いことづくしなのです。
おすすめのホワイトニング方法
数あるホワイトニング方法の中でも、特におすすめしたいのが「歯医者でのホワイトニング」です。
歯の専門家である歯科医師が、あなたの歯の状態をチェック・把握した上で施術をしてくれるため、安心・安全なホワイトニングが実現できます。
「仕事が忙しくて毎回歯医者に通う自信がない……。」
という方には、歯医者が提供するホームホワイトニングがあるので、それをおすすめします。
歯医者のホワイトニングだからこそ得られるメリットは以下の通りです。
自分好みの白さを選べる
歯医者で行うホワイトニングでは、歯科医師と相談をしながら自分が求めている歯の白さを選ぶことが可能です。
自分の歯の状態と理想の白さを相談した上で施術を行うため、
「理想の白さとほど遠い」
「白くなりすぎて肌の色と合わない」
といったトラブルが圧倒的に起こりづらいのが魅力の一つです。
最近では、自分自身でホワイトニングを行うキットを用意して行う「セルフホワイトニング」も注目を浴びています。
しかし、この場合は歯科医師と相談をして施術をするわけではありませんので、想像している白さを実現できないこともあり注意が必要です。
歯の健康状態を把握できる
どれだけホワイトニングで歯を白くできたとしても、歯や歯茎自体に問題がある場合は、その治療をしなければ歯肉炎や歯周病、虫歯などのトラブルを引き起こしてしまいます。
どれだけ歯を白くしたとしても、口腔内で何かしらのトラブルを抱えているような状態ではいずれ歯の治療が必要となり本末転倒です。
歯医者でホワイトニングを行う際は、まず歯の健康状態をチェックしますので、見かけだけの美しさだけでなく、正しい順序で歯がもつ本来の美しさを手に入れることができます。
歯の色が後戻りしづらい
歯医者で行うホワイトニングでは一人ひとりの歯の状態をみた上で理想の白さを実現するためのホワイトニング剤を使用していきます。
ホワイトニングの効き目が弱い・強すぎるといったトラブルが少ないだけでなく、白さを持続しやすいことも歯医者でのホワイトニングの特徴です。
ホワイトニングの持続性だけを考えるのであれば、歯医者に通院して行う「オフィスホワイトニング」よりも、歯医者で用意されたマウスピースと薬剤を自宅で使用して行う「ホームホワイトニング」がより効果的だとも言われています。
ホワイトニングをおすすめできない人とは
ここまでホワイトニングの仕組みやメリットについて説明をしてきましたが、ホワイトニングをすることができない、あるいはしても効果が出にくい人もいます。
以下の項目に当てはまる人は、ホワイトニングを行う前に必ず歯科医師へご相談することをおすすめします。
虫歯がある人
虫歯がある場合、虫歯治療とホワイトニングを並行することはできません。
虫歯は常に進行してしまうものですので、ホワイトニングを先に行ってしまうと、その間にどんどんと虫歯が広がる恐れがあります。
せっかく綺麗にした歯が虫歯によって黒くなってしまったり、ホワイトニングの施術期間中に虫歯による痛みを引き起こしてしまうことを避けるためにも、先に虫歯治療は終わらせておきましょう。
さらに、虫歯がある状態でホワイトニングの施術をしてしまうとホワイトニングの薬剤が虫歯に染みて痛むケースもあります。
結果としてホワイトニングを中断せざるを得ないケースを考えると、やはり虫歯治療は最優先で対応した上でホワイトニングをすることをおすすめします。
歯肉炎や歯周病がある人
虫歯と同様、歯肉炎や歯周病も知らないうちに症状が進行して悪化する恐れがあります。
歯肉炎は歯茎の炎症で、それがより悪化してしまったものが歯周病です。
歯周病になってしまうと歯を支えることができなくなり、最悪の場合歯を失ってしまうことも。
ホワイトニングでいくら歯を白くしても、その歯を失ってしまっては意味がありません。
さらに、歯肉炎や歯周病があるとホワイトニングの施術を行う際に出血しやすく、この出血にとってホワイトニングの薬剤の効果が衰えてしまうこともあります。
そのため、歯肉炎や歯周病を患った状態でのホワイトニングはおすすめすることができません。
また、歯肉炎や歯周病が虫歯よりも厄介なのは、発症や進行に気付きにくいという点です。
自分の歯は健康だと思っていても、実は歯肉炎あるいは歯周病を発症してしまっているケースも多くあります。
歯医者でのホワイトニングでは、ホワイトニングを行う前に必ず口腔内の状態をチェックしますので、安心してホワイトニングを行うことができます。
詰め物や被せ物をしている歯が多い人
ホワイトニングでは、もともと虫歯などの治療で詰め物や被せ物(銀歯など)をしている箇所は薬剤の効果が出ません。
詰め物や被せ物はいわゆる人工物ですので、これらを白くすることは不可能なのです。
過去に複数の虫歯治療を行い、その詰め物の変色をどうにかしたいといった悩みを抱えている方は、ホワイトニングではその悩みを解消することができません。
このようなお悩みをもつ方は、詰め物自体を白い材質のものに変えたり、銀歯をセラミックに変更するといった治療法をおすすめします。
これらの治療を完了させた上で、残りの健康な歯を詰め物やセラミックの色と馴染むような白さにホワイトニングするといった流れで治療をしていけば、変に詰め物の部分だけが目立つといったこともなく、かつ白く美しく健康な歯を手に入れることができます。
歯の表面にフッ素加工をしている人
フッ素は歯を溶かす「酸」に対して働きかけ、歯が溶けるのを防ぐ役割をもっています。
虫歯治療をした後などはフッ素加工を施して虫歯の再発を防ぐことがあります。
しかし、このフッ素加工はホワイトニングの薬剤が歯に浸透するのを妨げてしまいます。
フッ素加工が十分に施された歯にはホワイトニングの効果が薄れてしまう恐れがあるため、歯科医師に確認をした上でホワイトニングをするかどうか判断した方が良いでしょう。
ホワイトニング施術で確認すべき注意点
最後に、ホワイトニングを行うにあたって確認しておくべきポイントをいくつか挙げます。
ホワイトニングは自費診療となる
虫歯治療や歯石除去などのクリーニングは保険適用内となる一方、ホワイトニングやインプラント治療は保険適用外となります。
「保険が効くから安く施術できるだろう」と思っている方は、ホワイトニングの施術に必要な費用を事前に確認しておくようにしてください。
どのようなホワイトニング施術ができる歯医者かを確認する
一言に「歯医者でのホワイトニング」といっても、歯医者に通院をして行う「オフィスホワイトニング」と歯医者で渡された器具や薬剤を使って行う「ホームホワイトニング」の2種類があります。
歯医者によってはどちらか一方しか対応していないというところも少なくありません。あなたが希望している施術ができる歯医者なのかどうかは事前に確認をしておきましょう。
また、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングどちらが自分に合っているのかが分からないという人は、どちらの施術にも対応している歯医者に相談しに行き、歯科医師と相談をしながら施術プランを立てていくこともおすすめします。
あなたの歯の状態に合わせた適切なホワイトニングを
今回は、ホワイトニングに関する基礎知識やおすすめの施術方法、注意点についてご説明しました。
単に歯を白くしたいと思って安易な気持ちでホワイトニングを始めても、求めている白さや歯の健康が得られないこともあります。
ホワイトニングに関する正しい知識をつけることで、確実に白く美しく健康な歯を手に入れましょう。
コラム執筆者
パールホワイトニング肥後橋デンタルクリニック院長 歯科医師 田中久弓
済生会中津病院口腔外科勤務後、一般歯科医院にて診察を行う。2017年から全国の歯科医院にホワイトニングの技術を教える講師が運営する、ホワイトニングサロンBeauteでホワイトニング専門歯科医師として勤務。2019年にパールホワイトニング肥後橋デンタルクリニックを開院し、「ホワイトニングが当たり前の世の中にする」ために活動しています。